2014年 09月 16日
何にもない部屋
何にもない部屋にいった。
そこは前からずっと同じものがあって、同じ場所にあって、
1ミリたりとも動くことがない。
すべてのものの存在が頑固で、決して変化することがないもの。
そんな無機質な場所にいると、自分もすっかりひからびてしまったようで、
はやく出て行ってしまいたいと思う。
どうしてそんな所に入り込んでしまったのだろう。
すっかりそんな力に引き込まれるはずないっと思っていたのに、
自分を過信していただけなのか。
それともなにかかわるために、きっかけを作るために
自分から飛び込んでみたのか。
後者の方が強かった気もする。
そこには一人の男性が住んでいて、一人でタバコをすっている。
小さな机と、いすに座って窓から外を眺めていて、
その佇まいはいまもまったくかわらない。
一人でそこにいることに、
座っていることに慣れてしまっている。
いつまでこんな生活をするんだろうね。
静かにつぶやいて、
結局いつまでもだよっと、私も答えてしまう。
なんにも持たない、なにも変えない、
そんな人に憧れてしまうときが
私にはかつて、あった。
by inei-reisan
| 2014-09-16 05:05
| ミュンヘン日常
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