2015年 04月 15日
ノイズ,それが歌となり
蝋燭を買い込むときは、静けさを求めている合図、
いや、むしろ冒険を求めている合図?
マッチ売りの少女じゃなくて、蝋燭渡しの女にでもなろうか。
週末お友達のオーディション用のビデオを撮るお手伝いをする。
オペラ歌手の彼女は、
いつも私とはおしゃべり仲間なのに、
このときばかりは私に向かって歌を歌ってくれた。
私がカメラを構えていたからなのだけど、
私に向かって、歌って、手を広げて、
笑って。
やはりお願いしているピアノ伴奏の人が指摘する、発音だとか、
音の強弱だとか、
そんなかんじが私にはなんだか新鮮だった。
もし私がカメラの前に立って、なにか相手に訴えることができることがあるとしたら、
それは、やはり歌うことなんだろうか?
そんな場合、私の奥底に隠れている、弱さがばーんと前に出てきて、
きっと下を向いて歌ってしまうだろうから、
カメラには
私の頭のてっぺんのつむじしか
うつらないのだろう。
それでもきっと、彼女が歌ってくれたのが
私の心に響いたみたいに、
私の声も誰かに届くはず。
by inei-reisan
| 2015-04-15 00:16
| ミュンヘン日常
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