2017年 02月 17日
施し PISA
最近ばたばたとヨーロッパを旅しているのだが、この間訪れたイタリアのPISAにあったこの古い墓場にあった壁絵は圧巻された。
上から順にキリストの教えをとくとくと説いているのだが、
どの悪魔も信者の顔もすごく怖い。
古い壁画なので写真では見えにくいかもしれないが、右側には地獄で待ち受ける悪魔、
左にはキリストの施しを受けている人たちが描かれている。
先日どっかの記事で現代人は自分のことばかり考えていることが取り上げられていた。
自分の得に焦点を当てて、行動し言動し結果を勝ち取る。
勝ち取った人は実は様々な人の事情を都合のいいように
考えとって、都合のように出来事を頭の中でパッチワークする。
切り捨てた部分は存在しなかったことにしてしまう。
自分自身でそのことを気がつかない限り、その人の中での価値観や善悪が
次々と重なりあっていく。
実はこの上の壁画を見たとき、私はぞっとした。
宗教的観念で話をしているわけではないが。
私が都合よく切り捨てた事実は、実はすぐそばでこのような地獄風に処理されていってしまっているんじゃないか。
私の無意識の中でビジュアルでこのように表現されてしまっているんじゃないか。
でもそれをどうすることができなく、ただ自分の作り上げている積み重ねを
信じて人間は所詮生きてゆくしかない。
現代は究極の戦場だ。
もしこの地獄・極楽絵に気がついてしまっている繊細な人がいたならば、
それでその事でひどく傷ついているのならば、
実はすべての人がこの絵の中にポジションを得ていると
ただすべての人がその事に気がつかない鈍感さという防御を
持っているだけなのだと。
by inei-reisan
| 2017-02-17 01:36
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