2010年 12月 20日
手紙
とくにいやではないし、書きたいから書き始めるのだが、
書いているうちに言いたかった事がどうしようもなくちんけな物に思えてきて
書かなくても伝わるだろうと考えが流れていってしまうのだ。
これといって書く事がある訳でもないのにこうやって手紙を出してしまうのは、
その相手に近況を知らせるというよりも、
相手への感情そのままを封筒に詰め込んでいる気もした。
そしてやっぱり人間を分かっていないなあとまた実感するのであった。
要は私は器用でないのであった。
封を開いて、素敵な心暖める文章を書ける訳でもなしに、
素敵な送りものを同封する訳でもない。
そんな情けない手紙がわざわざ海を越えて漂って渡って行くのに
私はやはり手紙を書くのであった。
後に残るものが苦手なのだろうか?
一瞬の時間で生きている私には冷蔵庫に入っている野菜のように
外に出せば次第にしなびてゆく感情なのであろうか?
にも関わらず受け取る手紙は心から喜んで読む自分がいるのだ。
相手の気持ちが手を取るように感じとれるのだ。
時には涙して読む事もあるのであった。
だから自分の書いたどうしようもない手紙にも
封をするときには、
せめてもとすこし息を吹き込むのだ。
by inei-reisan
| 2010-12-20 05:45
| ミュンヘン日常
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