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朝の散歩


めずらしく暖かい朝で思い切って窓を開けてみたら、
小鳥のさえずる音が聞こえた。
いつも寒さで閉め切っているから気がつかなかったけど、
自然はどんどん春へと準備をはじめているらしい。
なんとも頼もしい。

そして小さいころはじめて飼ってもらった犬がいたのを思い出す。
学校から帰って来たら、裏の大座敷の玄関に段ボールが置いてあって、
くんくんと子犬が寝転がっていた。
私は嬉しくて毎朝学校前に散歩をすることを引き受けた。
はじめはすぐ散歩もあきらめるだろうと、皆が予想していたが、根気強く2年ほど学校が変わるまで
私は続けた。学校が終わってからもいつも散歩にいったし、ご飯中も彼が吠えれば心配して見に行ったりもした。私は結構犬が好きなのだと、いや初めて自分で世話をするという感覚を学びつつあった。

そして私が学校が変わってからは母親が後を受け継いだ。

ただある日事件がおきた。
散歩中に犬が死んだネズミを食べた(かもしれない→たしかではない)のだ。
帰った犬と母親は怯えて、彼女は犬にいろいろと飲ませたりしていた。

ココからがまた母親のパニックの悲劇だった。
怖くなった彼女は一切散歩をしなくなった。
私もたまにはするが、学校が忙しくて毎日は到底無理になった。
そしてもちろん散歩をしたくて泣き続けるからと、
今度は家の中庭に竹で一面に柵を発注し、できあがったそのなかに放し飼いにすることを思いついた。
中庭といっても結構でかい庭で、犬小屋というよりは犬庭には贅沢な感じではある。
しかし中庭に話された犬もはじめははしゃいでいたが、また夜中じゅう泣き続けた。

結局犬はある夜中に中庭から逃げ出した。
案の定ではある。

私はそれから数ヶ月犬を探し、ひとりで近所を歩き回っていた。
でもついに帰ってくることはなく今に至る。
実家ではペットをそれから飼わなくなった。
いつかその犬が帰ってくるかもしれないというのが
その理由だ。
いまでもあの家では犬の帰りを待っているのだろう。

わたしはここドイツでやるリストのひとつに
犬を飼う事を付け加えている。
ここのミュンヘンの飼い犬達はとても幸せそうにみえるから。
ただ日本犬を飼っている人はなかなかみかけない。
たいていはでっかいシャパードかすらりと足が長い犬が多いかな。
Commented by September30 at 2011-01-17 09:25 x
二匹の犬を飼っている先輩からのアドヴァイスです。
将来飼い主が何日も家をあけなくちゃならないような状況を予想している人は犬を飼うべきじゃないんじゃないか。
我が家では二,三日いなくなるときは甥や姪に世話をしてもらうのですが、ヨーロッパや日本に旅行するときはいつも二週間から三週間でした。最初のころは、ケンネルに預けて行ったのですが、帰ってきたら犬たちがまるで強制収用所から出てきた捕虜のようにやつれて、性格も荒んでいたのですよ。そのうえもう一週間ぐらいヨーロッパをまわれるほどの金額を請求されました。
それ以後は住み込みで誰かに来てもらうことになりましたが、それでもわれわれの旅行の回数がぐんと減りました。
独り住まいのひとはもっと難しいのではと思うのです。
犬ではなくて、男性を飼うほうがずっと楽です。(笑)
Commented by inei-reisan at 2011-01-17 15:42
たしかに一人住まいで犬を飼っている人は少ないです。もしくは一緒に連れていける所にバカンスでも旅行しているとかしてます。
なんせ私の犬のイメージが悲しそうに泣いているイメージしか今はないので、幸せに暮らせる飼い主にいる犬達はいいなと思います。september30さんの犬達はしっかり可愛がられていそうですね。さすがです。

最後の文章に爆笑です。

by inei-reisan | 2011-01-16 16:12 | ミュンヘン日常 | Comments(2)

自分が住む国を選ぶ権利はあるが、国が私たちを選ぶ権利はない

by inei-reisan
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