2014年 01月 08日
唾
人生で初めて、人に唾をかけられた。
仕事に行こうと外のバス停で日本人の仕事の人とバスを待ってたら、
いきなりアラブ系のおばあさんがやってきて、
ドイツ語でぶつぶつと文句を言いながら私達の周りをぐるぐると歩き出す。
何を言っているのか、わからずきょとんとしてると、
そんな日本人やベトナム人が世界を汚くしてるのよ、
と私達二人に唾を吐きかけた。
何が起きたか、一瞬にしてわからなかった私達も
数秒後にはやっと頭に飲み込んで、そのころには足早におばあさんは
地下鉄へと、消えていった。
背中に大声で注意しても届くはずもなかったけど、
それも含めて私はこんな世界に住んでいるのだなと
思い出させられた。
先日元彼と大喧嘩をする。私のドイツ語がちっとも成長しないのはなぜかと
延々と論理しても、日本語なんてヨーロッパ人の彼にはまったくわかるはずもない。
私の脳みそを勝ち割って、中身のどろどろを見せてやろうか。
言葉習得はいつも私の心を悩ませる。
それとは別に某有名カフェで勉強してたら目の前に座った人が
たまたまトルコ人のおじちゃんで、勉強熱心な私にドイツ語で話しかけてくる。
オリンピック日本に決まったね。
でも日本ならいいよ、トルコは日本人大好きだから。
そうやって、笑顔で私に話しかける。
そう、そんな世界にも私は生きている。
なんていうか、日本だけの小さな井戸だけじゃなく、こうやって大きな大鍋に放り込まれているのも
事実で、ぐるぐるとかき回されるわれら海外在住者は、
時にはそんな波に向かいたち、負けない
力が必要になる。
どれだけここに長く住んでも私達は姿形は、アジア人。
どれだけぺらぺらとドイツ語が話せるようになっても、心は日本人。
どれだけ強くなっても、私は私。
変わりようのない事実。
by inei-reisan
| 2014-01-08 06:25
| ミュンヘン日常
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