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雨の中の女

大好きな人のブログを読んでたら、ふと思い出した事があった。
その人はこの間記事にもかいたwilsonのだ。
彼と私はトータルで2年ほど交際したが、彼の何に惹かれたのが
当時はよくわからなかった。

彼には望んでいない子供がいた。
その子供はとても仲の良かった女友達との間にできた子で、
日本に居るときもクリスマスには一緒に彼のプレゼントを選んだりもした。
クリスマスは家族ごとだから、日本から届くぼろぼろのプレゼントも喜んだに違いない。
ときどき電話もしていて、片言の日本語で私も彼と話したりした。
7歳の彼と私の英語はちょうど釣り合ったのだろう。
でもその子の母親は決して電話先にはでなかった。
私が知っている限りでは彼が大学のころ、悲しくもその女の人はだれか知らない人に乱暴、暴行され、それがトラウマになった彼女は、絶望し嘆き、それを慰めていた友人が彼だったという。
いつもそばにいて元気付けていた彼を、
しかし彼女は彼に依存をはじめ、子供を作りたいと言い出した。
おそらく彼女との間に肉体的な関係があったのだろうと思うが,彼にとってそれは慰めでも、彼女にとっては地獄にたらされた糸の様に感じたに違いない。
そしてその糸にしがみつき、結果彼には内緒で勝手に子供を作ってしまった。

彼はそんな彼女に失望し、
日本にやって来たのだった。

どうしてそんな経験の後、彼が私を選んだのか?

雨の中で私が喜んで踊っている姿が
彼の隣の家に住んでいたおさななじみの女の子の踊りに似ていたのだと言う。
彼女はいつも、美しく道で踊っていたのだと。
その女の子は彼にとって初恋の人で、大事な女の子だった。
しかし彼が小さいころ、彼の家の近くでは銃声が絶えず、わめき声も絶えない
隣人が多かったのだ。
ある日めずらしく静かな時に隣の家から彼女の泣き声が聞こえてきた。
その彼女は病気で苦しんで、泣いているのだった。
彼は毎日彼女の泣き声を聞いてくらし、
最後には泣き声が聞こえなくなってしまった。
そしてこの世から消えてしまった。

その女の子に似ていると言われて、

そのとき私はなんだか切なくなってしまった。

あのころ私には死に近い絶望という感覚が、自ら近づいてきていた。
私が接する誰かは見事に死(絶望)にトラウマを持っている人が多かった。
私に同じ匂いを感じたのか、それとも逆に癒しを感じたのだろうか、わからない。
でも今とは違うひとに取り囲まれていたのは事実だ。


あのころから今でもかわらないのは唯一
私は踊り続けているという事だけだ。
# by inei-reisan | 2011-01-12 01:18 | 言葉 | Comments(0)

自分が住む国を選ぶ権利はあるが、国が私たちを選ぶ権利はない

by inei-reisan
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